2022年1月29日土曜日

2022年1月よりノミ、ダニ、フィラリア予防薬の価格が変更になりました。

  

2022年1月よりノミ、ダニ、フィラリア予防薬の価格が変更になりました。

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 2022年1月より会計システムの変更に伴い、ノミ、ダニ、フィラリア予防薬は個別に処方することになりましたので、価格を従来より値下げいたしました。予防薬はノミ、マダニ、フィラリアまとめて効果があるものや、個別に効果があるものなど種類が様々です。ライフスタイルに合わせて選ぶことをお勧めいたします。どの予防薬がよいわからない場合は、獣医師にご相談ください。それぞれの予防薬の価格は本ページの下にまとめてあります。

 

 

ノミ・マダニ予防について

 

暖かくなってくると、ノミやマダニによる被害が多くなります。ノミやマダニによって引き起こされる病気や予防法についてまとめたいと思います。

 

ネコノミ

マダニ

 

写真:バイエル薬品株式会社(Life with Petより引用)

 


ノミやマダニによっておこる病気

 

ノミやマダニが動物の体表に寄生すると、皮膚炎などを引き起こすことがあります。しかし、本当に注意しなくてはいけないことは【多くの病気を運んでくる】ということです。中でも注意するべきは、動物だけでなく私たちにも感染する病気があります。下記に代表的な病気や近年話題となっているものをピックアップしました。ヒトに感染する可能性のあるものは【ヒトと動物】と表記しています。

マダニは思わぬところに寄生しています。よく注意して観察する必要があります。

 

写真:当院に来院した犬のまぶたに付着していたマダニ

 



ノミが運んでくる代表的な病気
病名病原体

詳細

瓜実条虫症

まれに【ヒトと動物】

写真:バイエル薬品株式会社(Life with Petより引用)

                    

瓜実条虫

          

いわゆるサナダ虫。虫体の一部が便と一緒に排せつされることで発見されるケースが多いです。虫の長さが50㎝近くになることもあります。下痢や肛門周囲のかゆみなどを引き起こし、まれにヒトの乳児、小児にも感染することがあります。

ヘモプラズマ感染症

(猫伝染性貧血)

写真:wikipedia (Feline infectious anemia (Mycoplasma Haemofilus)より引用)
マイコプラズマ菌犬や猫の赤血球に感染し、特に猫で重症化することがあります。重度な貧血を引き起こし、輸血が必要となることもあります。治療には抗生物質が使用されますが、一度感染すると病原体は完全に除去することはできません。再発をすることがあるので注意が必要です。

猫ひっかき病

【ヒトと動物】

写真:Harmsら(Intruders below the Rader: Molecular Pathogenesis of Bartonella spp.より引用)

バルトネラ菌猫に引っかかれたり、ネコノミに刺咬されたりすることで感染します。猫は無症状なので、見た目では分かりません。定期的なノミの駆除が重要な予防法です。ヒトへの感染が多く報告されています。ヒトではリンパ節の腫れ、発熱、悪寒などの症状がでることがあります。
   
マダニが運んでくる代表的な病気
病名病原体

詳細

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

【ヒトと動物】

写真:国立感染症研究所より引用

SFTSウイルス2011年に特定されたヒトの新しいウイルス感染症で、発熱、消化器症状を引き起こし、重篤化すると死亡することもあります。マダニの刺咬により感染します。マダニの運び屋としてペットが注目されています。動物では無症状の事が多いですが、不明な点が未だ多い病気です。

犬バベシア症

写真:バイエル薬品株式会社(life with Petより引用)

バベシア原虫バベシア原虫は、犬の赤血球の中で増殖し、貧血を引き起こします。マダニの刺咬により病原体が侵入します。治療には、輸血や抗原虫薬を使用しますが、死に至ることも多い病気です。予防がとても重要になります。

日本紅斑熱

【ヒトと動物】

写真:馬原文彦著(日本紅斑熱の発見と臨床的疫学的研究より引用)

リケッチア菌マダニの刺咬により病原体が体内に侵入します。ヒトでの主な症状は、発熱と発疹です。犬への感染は明らかになっていませんが、マダニを運ばないようにすることが重要です。

ライム病

【ヒトと動物】

写真:千葉科学大学(増澤俊幸研究室より引用)

ボレリア菌マダニの刺咬により感染します。欧米では、年間数万人のヒトでの発生があり、日本でも発生が報告されています。皮膚症状、神経症状、眼症状などを引き起こします。犬も同様な症状を引き起こします。マダニを付着させないことが重要になります。

以上のように、ノミやマダニに刺されることで多くの病気に感染します。したがって、ノミやマダニに刺咬されない、付着させないことが予防における重要なポイントとなります。

 

 

フィラリア予防について

 

このコラムでは、主に予防薬の処方に必要なフィラリアの検査の重要性についてまとめています。

 


フィラリア症とは

フィラリア症は、蚊が媒介するイヌフィラリアが心臓や肺の動脈に住み着くことで引き起こされる様々な病気の総称です。咳が出るようになったり、尿に血が混じったり、時に急激な症状の悪化がみられることがあります。

フィラリア症の詳細については、下記のリンクを参考にしてみてください。製薬会社のサイトになりますが、正確な情報が分かりやすくまとめられています。一読することで理解が深まると思います。動画での配信もあるようです。

 外部サイトにリンク



当院で摘出したフィラリア成虫(1頭分)

 

 

フィラリア検査と予防薬

フィラリア検査では、採血をしてフィラリアに感染しているかどうか調べます。検査方法としては、ミクロフィラリアを顕微鏡で検査する方法や、免疫反応を利用してフィラリア抗原を検出する方法などがあります。一方で、フィラリア検査はなぜ毎年する必要があるのか?薬だけもらえないのか?という質問をたまに頂きます。回答としては、フィラリア症予防薬が薬事法で「要指示薬」に指定されており、制限事項として「フィラリア感染の有無を検査すること」とされているため、検査にて感染がないことを確認してから、お薬を処方する必要があります。

フィラリア検査の際に、一緒に血液検査をすることもできます。詳しくは健康診断のページをご覧ください。

 

重要!

「要指示薬」とは、薬事法で獣医師の指示なしに処方できない薬をさします。かかりつけの獣医師の指示に従い正しく使用しましょう。また、予防薬の投薬もれなどでフィラリアに感染してしまった場合、上記の検査を経ずに投薬することで、感染フィラリアの死滅による急性の激しいアレルギー反応が起こる危険性があります。万が一の場合に備え、かかりつけの動物病院で処方してもらうほうがよいでしょう。

 

 

 

各予防薬の価格について

 

生活スタイルや内服のしやすさなどで様々な予防薬があります。予防薬は一か月に一回使用します。

 




 ご不明な点がありましたら、当院獣医師までご相談ください。

 

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